ユーロ/円相場は、123.50~127.00円のレンジで揉み合う展開に。15~16日に20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控える中、ユーロ買い・円売りポジションの解消が進み、2月15日には一時122.90円を付けた。ユーロ圏内でユーロ高是正の必要性を巡る議論が活発化していることもあり、ユーロ/円相場は1月30日以来の安値を付けている。ただ、そのG20では特に日本の金融政策に対して目立った批判の声が聞かれなかったこともあり、足元では125台まで切り返す展開になっている。
今月の欧州中央銀行(ECB)理事会では、ドラギ総裁がユーロ高に懸念を表明したことで、政策面からユーロ高是正の動きが強まる可能性が警戒された。ただ、ドイツ当局者からは相次いでユーロ高に対する懸念を打ち消す発言が繰り返されており、為替レートの誘導政策には批判的な論調が依然として優勢なことが確認されている。G20後にドラギ総裁は、為替相場についての発言に「強い自制を呼び掛けた」としており、今後は同総裁からユーロ相場に対する積極的な言及が行われる可能性も後退している。もっとも、今週末にはイタリア総選挙を控えており、その結果次第では南欧の政治リスクが蒸し返される可能性が、今後もユーロの戻り余地を限定する見通し。少なくともイタリアの選挙結果が判明するまでは、ユーロがボックス上限をブレイクする可能性は低いと見ている。
一方の円サイドであるが、G20での円安批判回避によって、大きく円高方向に振れるリスクは限定されている。日米首脳会談でも円安批判が高まる可能性は低く、日銀総裁人事を巡る議論が円高要因になる可能性も低いだろう。ただ、G20後は為替市場に対する当局者の発言が抑制される可能性が高いことに加えて、日米金利水準などからは「行き過ぎた円高」是正が最終局面に差し掛かっていることも間違いない。ユーロ/円相場は概ね現行レンジ内での小動きが続くとみる。
今後1週間の予想レンジは、123.50~126.50円。